活動記録

2014/05/22 道志村間伐体験ツアー
『道志村間伐体験ツアー』に、この5月で1周年を迎える「森の循環推進協議会」の一員として参加致しました。
 
「森の循環推進協議会」とは昨年6月17日に発足しました団体で、平成25年度4月より林野庁にて木材利用ポイント制度が公布され、合法木材承認制度に対応される為に設立を致しました。横浜市へ供給を行ってきた各水源地の地域木材及び神奈川県全域へ水の供給する地域材の利用を目的とした、公益ボランティア活動を拡大する為の団体です。
活動テーマは~見てもらう!触れてもらう!使ってもらう!そして伝えてもらう!!~です。
 
 

朝8時、横浜に集合し、大型バスにて山梨県都留郡道志村へ向けて出発!
代表者の挨拶後に、横浜市水道局制作の『アクアの肖像』というDVDを鑑賞しました。
かつて海を埋め立てして大きくなった横浜の地は、どこを掘っても塩分のある水ばかりで、真水が大変貴重だったそうです。様々な苦難を乗り越えて、明治20年に日本初の近代水道は横浜で産声をあげたそうです。
以降100年以上、道志水源涵養林は、横浜市民に良質で安定した飲料水の供給を第一の目的とし、森林の持つ公益的機能の維持・向上を図るため、水源林管理所において適正で計画的な森林管理を行っているとの事です。
 


横浜市で管理を行っている山林はそれで保たれますが、肝心の民有林は水を育む森が荒廃しているのが現状です。
道志村については1/3は横浜市が水源涵養林として整備をしていますが、残りの2/3は民有林でほとんど手がつけられていない状況にあります。
手入れをしている森は木々のてっぺんがトンガっていますが、手入れの行き届いていない森は木々のてっぺんがもっこりと盛り上がっています。一目で違いが分かります。
なぜ民有林が手つかずのままなのか?
それは、木材が安い、売れない、赤字になるからです。傾斜角度のきつい道志村では、木材を切り倒してから運びだす事が容易ではないのです。ですので、林道のないような山林の間伐材は、ある程度まとめてそのまま朽ちるのを待つのだそうです。
 
そんなツアーガイドの話を聞いていたら10時半頃、道志村へ到着しました。
 
最初に向かったのは、水源の郷 やまゆりセンターです。
こちらでは、道志村役場の方に会場設営のご協力を頂き、森の循環推進協議会より義援金贈呈式を執り行いました。
贈り宛ては、今年の2月に大雪による被害を受けました道志村と工場に大きな被害を受けた山梨県の佐藤工業様へ贈呈を致しました。

  

その後、森の循環推進協議会の理事でもある池谷木工所にて木材の製材を見学し、裁断したての材に触れてみたりしました。
切ったばかりの木は水分を十分に含んでいる為、湿っている感じが伝わりました。
何と言っても木の香りがプンプン漂っていい気分になります♪
実際に木材として使用する際には、生の木では建築に利用出来ない為、製材後に乾燥させる工程になるそうです。 
ちなみに、節には生き節と死に節があるそうです。
枝打ちしていないと節が死んでしまうそうで、下記写真は死に節になります。
また、30年前までは電気が通っておらず、水車の力で製材をしていたそうです。
意外と最近の話で驚きました。

  
 
その後、池谷様と青年協力隊の皆さんの協力により間伐体験を行いました。
間伐作業場所に向かうまでの山道にて、様々な木の使い道などを学びました。

 


   もみの木    ⇒ 防臭性や腐敗を防ぐので棺桶など
   小なら、しいの木⇒ 小柄な木なので薪など
   水なら     ⇒ くっきりした木目が表情ゆたかなのでフローリングなど
   ブナ      ⇒ 保水力が100%以上あり、森林ダムやしゃもじの材など
   キハダ     ⇒ 木の皮が胃の薬になるそうです(―_―)!!

 



  

さて、本題となる間伐体験ですが、まず間伐する木の切り倒す方向を決めます。
決めたら肩の高さ位に紐をくくり付け、他の木に回して引っ張り倒す準備をします。
その後、受け口となるよう三角形に切り込みを入れてから追い口を入れて引っ張り倒します。倒した木は枝打ちをして、4メートル単位に切り分け運び出すといった手順です。

  
 
間伐体験の最後には、木こりのプロである池谷様がチェンソーによる大木間伐を実演して下さったのですが、倒れる瞬間が大変迫力があり圧巻でした。イコール、それだけ危険が伴う作業とも言えますね…。
 
間伐の必要性とは、木と木の間に十分な隙間を持たせて日光が入るようにし、大きく育ててしっかりとした根を生やさせて山や土を守る役目を果たします。
切った間伐が商品として流通できるようになれば、山側にお金が落ち、働き手が増えて、山も潤っていくのでしょうが、そう簡単な事ではなさそうです。


 
間伐体験の後は道志川の畔でお弁当を頂き、最後に道志村の横浜市の水源涵養林にて横浜市水道局の所長様より水源涵養林の機能・目的などについてお話を伺いました。 
 


  ≪涵養機能・目的≫ 
   ①水を蓄える   … 広葉樹などの枯葉や枝が蓄積しスポンジ状の柔らかい土がある
   ②水を綺麗にする … 浸透する過程で浄化される
   ③洪水を防ぐ   … 一定量を流すようにする


 

 また、木々の役割りの重要性が分かる実験装置を使って、草木があるのとないのとで水の浸透速度の違いを見せて頂きました。
   

緑の無い箱からは、水をかけて間もなくして泥水が上の排水から出てきました。
一方、緑の生い茂っている箱からは数分後に浄化された水が出てきました!
こんなにも違いが出るものなのかと、改めて実感・体感する事が出来ました。
 
帰りのバスでは、江の島を中心とする湘南海岸で清掃活動などのボランティアを行っている「海さくら」さんより、『あなたの心が流れる先に』というDVDの放映がありました。「海さくら」さんの活動目的は、江の島の海にかつて生息していたタツノオトシゴを蘇らせる!!という強い意志の下、代表の古澤様を中心としたメンバーで活動されています。DVDの内容は、海岸のゴミの約7割を占める河川からのゴミは、海岸に流れ着くまでにどのようにしてやってくるのか?という疑問を抱き、ついには海岸に散乱しているタバコのフィルターを拾い集め、それらでカヌーボートを作り、実際に古澤様がカヌーに乗って川下りをすると言った興味深い内容でした。
 
あっという間にバスは横浜へ到着!
スケジュール通り17:30過ぎの到着でした。お疲れさまでした。
 
 
~私達は、一人でも多くの方へ森や木、そして水の大切さを知って頂く為に、活動する事で発信を続けて参ります!!~
 
  

 

ページトップ