活動記録

2013/07/18 森の循環推進協議会・連携契約への経緯 ~栃木県集成材協業組合視察編~
全国で観測史上初の猛暑、熱中症が相次いでとても心苦しいです。
室内の冷房と屋外の高温での気温の差にも疲れが出やすい日々が続いております。
屋外での作業をする際には、こまめに水分補給!そして、塩分(塩飴など)補給!
無理をしない!適度な休憩が必要です。この夏を元気に乗り越えるべく対策を心がけたいですね。
新聞記事では、ある銀行が口座開設や預金などの銀行取引に応じ、「Tポイント」を提供するサービスを8月より始めるそうです。「Tポイント」会員は約4560万人にも及び、顧客基盤の拡大が狙いだそうです。
自身もついつい「あの商品を購入すれば、○○ポイント付加されるから、○○円貯まる!」など考えてしまいます。コンビニ、ドラックストア、スーパー・・・etc
特に女性は『ポイント』が好きではないでしょうか。
顧客心理の扉をノックする「ポイント制度」は誘発剤です。
ポイントといえば、忘れてはいけないのが「木材利用ポイント」です!
今月18日、「木材利用ポイント申請についての説明会」が横浜市内で開催されます。
住宅施工事業者登録を終えました弊社も説明会に参加し、しっかりと理解し、御施主様の申請~還元まで一連をサポートできる様、努めて参ります。

*木材利用ポイントURL* http://mokuzai-points.jp



さて、今回は「森の循環推進協議会」の連携契約であります。
栃木県集成材協業組合様との連携経緯についてご紹介いたします。
道志村内の杉を構造材として使用するためには、多くの課題がありました。

1. 杉は他の木材と比較して強度が出にくい。 
2. 無垢材で起こり得る「反り・割れ」の心配。
3. 杉の集成加工~プレカットまでの構造計算。

これらの課題を解決するべく、杉のラミナ集成材(※)の加工工場を神奈川県、関東圏内で探す中、越井木材工業様よりご紹介いただき、「栃木県集成材協業組合」様をご紹介いただきました。

※ラミナ集成材とは・・・


 


4月18日 栃木県集成材協業組合様工場視察・お打合せ




鹿妻理事、落合部長より事例、実績など説明いただきました。

【内容】
・国産材は昭和60年以降、間伐材のヒノキを使用、栃木県内の学校の床や羽目板に使用されている。
・無垢材でも可能なものは無垢のまま、他は集成加工での併用
・栃木県には4つのエリアがあり、県南では県南材を使用することで、
 各地域での需要と供給が成り立っている。
・材が不足する場合には、栃木県内一体でまかなう。 
・栃木県では、ヤング係数(※)E70クラス以上の材がほとんどである。
  ※ヤング係数・・・
   たわみの係数、数値が高いほど強度があります。
   材質によって決まる数値。[ひずみ ε ]= [応力 σ ] / [ヤング率 E ]

弊社のこれまでの取りくみ~平成24年7月設立 道志間伐材活用4社協力会~から上棟記者発表、啓発活動の模様もご説明、鹿妻理事・落合部長よりご共感・ご理解を得られました。

続きまして、工場視察です。


  


 

(写真)こちらの材は、県内の小学校校舎建設に使用予定だそうです。


1. 強度試験




(写真左)工場内でのヤング係数測定装置、(写真右)材を持ち上げて、たわみの違いを体感しています。

  

(写真)機械で材料を測定すると、ヤング係数ごとに色分けがされるそうです。




(写真)ヤング係数別(強度別)で色分け、集成加工された杉の集成材。



(写真)各層に使用する強度はそれぞれが割合が決まっているそうです。
強度弱(赤色)は材の中層部分へ、強度の強い材(茶、緑)は上下層部分として
集成加工されます。 E120-F330で赤L90~緑L140。




(写真)長手方向に材料を継ぐ加工

2.集成材に使用する接着剤について

 集成材に使用する接着剤は、ホルムアルデヒドなどの化学物質でないものを選定します。
 集成加工に使用する接着剤は、経年により剥離したり変形が起きてはなりません。
 工場では、過酷な状況下、経年など耐劣化試験を行っているそうです。

  
 

(写真)800度以上の高温での燃焼においてもダイオキシンが発生しない実証のサンプルです。
 戦闘機のプロペラに使用された集成材の接着剤を使用しているそうです。

 
 

(写真)実験装置



(写真)湾曲に集成加工できる設備、湾曲形状に材を配置できるような工夫がなされています。
 加工中に力をかけ、曲げていくそうです。




(写真)出来上がった湾曲型集成材。Rがすごいですね。
 
工場の構造材は、もちろん!集成材を使用された、木骨工場でありました!
とても勉強になりました。




以上、工場視察を終えまして、道志村杉材を100枚工場持ち込み、
1枚、1枚すべて強度試験を行うことになりました。


*持込材の寸法・・・板幅120ミリ×厚み38ミリ、長さ3mもしくは4m


5月8日道志村杉持ち込み、強度・ヤング係数測定試験

栃木県集成材協業組合様視察の後、山梨道志より池谷理事と菅沼理事
で3tトラックでラミナを持ち込みました。(撮影:菅沼理事)

 


5月15日、前述の強度試験装置で100枚すべて試験を実施、
下記の報告書を落合部長より頂戴いたしました。



試験持ち込み時の材の厚みは、38ミリですが、その後乾燥で35~36ミリに、
接着圧密加工で仕上がり厚は30~31ミリになるそうです。

 
 

梁のせい(H=150~420)を示しております。

 

その結果、L50・・・32.65%、L60・・・24.49%
L70・・・24.49% と多く占め、範囲はL110~L40まで及びました。


以上より、道志村杉は構造材・梁集成材の中間層として使用、他の材は栃木県および神奈川県産杉材を使用へ方向づけができました。

6月17日森の循環推進協議会設立総会・連携契約を無事締結、
その後打ち合わせ模様も合わせてご紹介いたします。



(写真)東京駅にて打ち合わせ模様

≪構造材スケジュール≫

① 原木持ち込み

  ↓

② 天然乾燥

  ↓

③ ラミナ加工

  ↓

④ 人工乾燥

  ↓

⑤ 集成加工
 
上記を栃木県集成材協業組合様にて行った後、プレカット工場へ納入、プレカット及び金物をセット、現場へ納入予定です。
8月持ち込みから~約2か月~2か月半で、10月中の上棟を目指して進んでまいります。


耐震ドア採用について~山二建具様よりご提案~




地震でドア枠にゆがみ等が生じても、簡単にドアを開けることが出来るそうです。



こちらの耐震ドアは道志村杉材で製作、その後横浜国大中尾博士監修の元、
耐震の実証実験を実施予定でございます。
今後のプロジェクト(三ツ沢&緑園都市)で採用予定でございます。
引き続きご紹介できればと思います。
 
森林の恩恵により、川下でおいしい水を飲むことができ、
その水のおかげで人々が集まり、経済が発展につながっています。

 

不動産・建築業を通して、
森を元気に!水源地の材を活用!拡大!
次世代への継承へ!
 

目前に広がる課題解決に向け、様々な方々のご賛同、ご指導、
ご協力を賜ります事、改めまして感謝申し上げます。



以上長文になりましたが、ご高覧いただきまして有難うございました!


(写真)栃木県から移動中~虹がかかっていました!~

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