活動記録

2022/10/09 企業様参加 道志村山の学校
10月初旬に、今年度2度目の道志村日帰り山の学校を開催いたし
ました。
今回の参加者は企業様とそのご家族で、総勢15名でのご参加をい
ただきました。
 
マイクロバスで道志村の山を登っていき、最初の見学体験メニュー
「小径木の間伐体験」と「大径木の伐採見学・体験」を行います。
 
インストラクターの小林さんから、切れ込みの入れ方の説明を受け、
いざ実践。最初の方は木になかなか刃が立たず、苦戦している様子
でしたが、みんなで順番にノコギリで切れ込みをいれていくと少し
ずつ木の粉がこぼれ落ち、切れている実感が湧いてきます。
次に入れる切れ込み(おい口)は斜めに入れなければならないため
大人が参戦。大人でも最初は難しい作業のように見受けられました。
 
 
 
しっかり切れ込みを入れると、このような形で木が切り取られます。
みんなで切り出した木を観察したところ、
「スイカみたい!」「木のいい香りがする」といった感想が飛び交
いました。切り取った木片を再度木に戻して、パズルのように形を
確かめたりして楽しみました。
 

 
その後、縄をみんなで引っ張って、小径木を伐倒!
目の前でゆっくりと倒れていく木、メキメキという音とともに頭上
から辺り一面に葉っぱが降ってくる様子に歓声が上がりました。

 
大径木の伐倒見学ではインストラクターの方が木の調子を見ながら
少しずつチェーンソーで切れ目を入れていきます。チェーンソーの
大きな音に驚きながらもみなさん興味津々の様子。
先ほどの小径木をはるかに超える大きな木のメキメキ音と、倒れた
時の足元が震えるほどの地響きや、山の揺れは、現地でしか味わう
ことのできない特別な体験で、圧巻の迫力でした。
 
 
 
合間の時間では木の皮をはがしたり、はがした木の皮の色の観察、
切り株に座ってみたりと、お子様たち自ら山・木に興味を持って
いただけたように感じます。

 
その後はさらに山の奥へ移動し、植樹体験を行いました。
みんなで道具を使って、時には足も使い、靴を泥んこにしながら
4本の苗木を植えました。植樹に記念の札をつけるということで、
お子様に記念に書き込んでもらいました。
「この木が大きくなったところをまた見に来たいね。」と言って
いただき、嬉しかったです。

 

植樹体験を終えた後は、山の中で焚火をしながら昼食をいただき
ました。
自然に囲まれて食べるご飯ほどおいしいものはないですね。


昼食後は 山を下り、木工所で古材の製材を見学しました。
巨大な機械が大きな音を立てながら古材に近づいていき、刃がする
すると木を切っていきます。なかなか見ることのできない作業です。
外側は黒くなった古材ですが、切りだしてみると中は綺麗なことが
見て取れると思います。
 

 
次の体験メニューでは、大人の方が古材の剥離作業とくぎ抜きの
体験、お子様には木工体験をしていただきました。
剥離とくぎ抜きのメニューは通常行っておりませんが、今回機会
があり体験していただくことができました。
 
過去に燃えたことのある古材だそうで、表面が炭と化しているの
が写真からもわかると思います。
剥離の作業ではこの炭を削っていくことで内部の木材を引き出し
ていきます。最初は、「どこまで削っていいものなのか?」との
質問が体験者から出る場面もあり、躊躇しながらの作業でしたが
後半になるにつれて皆さん集中して夢中で作業されていました。
研磨前と研磨後でこんなにも違いが出ることには驚きですね。


 
剥離作業前後ののビフォーアフター
 
 
くぎ抜き体験では、抜く際に古材を傷つけてしまわないよう、板を
かませて作業を行いました。小さな釘であっても意外と力が必要で
てこの原理を利用しながら釘を押し上げていきます。
釘が抜けた時は何とも爽快。

 
 
これらの古材は今回のような剥離・くぎ抜きを経て、建築物へと
再利用するために生まれ変わります。昔からの材料が何十年の時
を経て現代に生かされ、循環しているのですね。
 
子ども向け木工体験では、クリスマスに向けてリース作りとキー
ホルダーの制作、ミニチュアいす作りを行いました。

 

山で採れた木の実や松ぼっくりを、みんなそれぞれ自分たちの思う
ままに自由に飾り付けていきます。街ではこのように多くの木の実
を拾うことが出来ないので、山ならではの体験に、満足してもらえ
たのではないでしょうか。


 
全ての体験メニューを終え、帰路につきました。
山の方は涼しく少し肌寒く感じるほどの時期でしたが、その分空気
が澄んでいるためか、山の緑が綺麗に見えたようです。そんな山に
様々な体験を与えてもらい、皆様に参加していただけた今回の山の
学校では、
「山に行くことで山の大切さを実感できる」
「きょう切った木はなんの木だったのだろう?」
などの感想が寄せられ、より一層山への感謝と興味が深まったよう
に感じます。
今の世の中では目や耳からの情報に頼りがちですが、こうした日常
では味わうことのできない経験をもって、実体験として何かを得る
ことで、心が豊かになることを実感していただけたのではないでし
ょうか。
この経験をより多くの方に向けて発信していきたいと強く感じた山
の学校となりました。


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